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ー山林測量とは?境界があいまいな土地を安心して守るための基礎知識ー

ドローン測量イメージ

山林測量とは何をする作業?

山林測量は、山林の「どこからどこまでが自分の土地か」を確認し、図面や記録として残す作業です。山は目印が少なく、昔の境界標が見つからないことも多いので、平地よりも慎重な調査が求められます。

山林で境界が分かりにくい理由

山林は草木が生い茂り、尾根や沢が境界の目安になっていても現地では判別しづらいです。さらに古い公図は精度が粗い場合があり、現況とズレていることもあります。隣接地の所有者が代替わりして「聞いていない」というケースもあり、測量で根拠を積み上げることが重要です。

「測量」と「境界確定」は同じ?

現況を測って面積や形を把握するだけの測量もありますが、売買や分筆などで必要になるのは「境界確定」を伴う測量です。隣接地主との立会い、境界標の設置、合意の記録まで含めて進めるため、目的に合った依頼内容を整理しておくとスムーズです。

山林測量が必要になる代表的な場面

山林は日常的に立ち入らないことも多く、問題が表面化しにくい土地です。ですが相続や売却など「動かす」タイミングで、境界や面積の不明確さが一気にリスクになります。

売却・相続・名義変更の前後

売却では買主が境界を重視しますし、相続では共有状態が続くほど意思決定が難しくなります。測量しておくと、説明が明確になり、トラブル回避につながります。相続登記のタイミングで現況を整理しておくと、その後の管理も楽になります。

林道整備・伐採・造成などの計画時

林道の開設や伐採、太陽光や資材置場などの造成は、境界を越えると重大な紛争になり得ます。工事前に測量して、作業範囲を確定し、関係者の合意を得ておくことで「知らずに越境した」を防げます。

山林測量の流れと準備しておきたいもの

山林測量は、資料の確認と現地作業を行き来しながら根拠を積み上げます。事前準備をしておくと、現地での探索や立会いが効率的になり、結果として費用や期間のムダを減らせます。

一般的な進め方

主な流れは、①資料収集(登記簿・公図・地積測量図など)②現地踏査(境界標や地形の確認)③測量(GNSSやトータルステーション等で観測)④図面作成⑤境界確認(隣接地主の立会い)⑥境界標の設置、というイメージです。山林は移動に時間がかかるため、踏査の段階で候補点を多めに洗い出しておくと後工程が楽になります。

依頼前に用意すると助かる情報

手元にあれば、過去の測量図、境界標の場所メモ、近隣の連絡先、現地へ入るルート情報が役立ちます。また、草が深い季節は境界標が隠れやすいので、可能なら下草が落ち着く時期を選ぶのも一案です。

費用や期間の目安と注意点

山林測量は条件で差が出やすく、「一律いくら」と言い切りにくいのが特徴です。面積だけでなく、地形の険しさ、隣接地の数、境界標の有無、車両で入れるかどうかなどが影響します。

費用が増えやすいケース

例えば、境界標が失われている、隣接地が多い、所有者が遠方で立会い調整に時間がかかる、沢や崖で観測点が限られる、といった場合は手間が増えます。見積もりでは「どこまでを成果に含めるか(境界確定までか、現況把握までか)」を確認しておくと、想定外の追加を防げます。

トラブルを避けるためのコツ

山林では「昔からここが境」と口伝えで決まっていることもありますが、記録が残らないと後から揉めやすいです。立会いは可能な限り関係者全員で行い、合意した内容は書面化して残すことが大切です。無理に早く終わらせようとせず、根拠を丁寧に積み上げる姿勢が、結果的に最短ルートになります。

最後に

山林測量とは、境界と面積を「見える化」して、売却・相続・管理の不安を減らすための大事な作業です。山林は境界があいまいになりやすい分、早めに現況を整理しておくほど安心につながります。まずは目的を整理し、現地条件を伝えたうえで専門家に相談してみてください。

2025.12.19